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基本 [整備]

先日あるメーカーの営業さんとお話ししていて盛り上がった。
基本はしっかりしていなければと。
この方、お年は60を越えいかにも文系という感じだが経歴を伺ってビックリした。
お若い頃県代表で技能五輪にも出場されたことがあり、その腕を買われて当初は溶接工として働いていたとお聞きしたから。
その後色々あって現職に就かれたわけだが、技能五輪選手だっただけあって旋盤、ボール盤もこなすとのこと。
選手の養成時代は「まず鉄板をタガネでブッ叩きちぎる訓練を…」とおっしゃっていた。
あっ、私と同じ。
私の最終学歴は短卒だが工業系の学校で座学より実習が多かった。
入学して最初にやらされたのは「タガネ実習」だった。
この営業さんと同じように厚さ10mmくらいの鉄板を万力に挟み、タガネとハンマーで叩きちぎるという実習。
当時高卒したばかりのお兄ちゃんです、上手に叩けるわけがありません。タガネを叩くどころか自分の手を叩いてしまう。
ようやくちぎれた頃にはみんなどらえもんのような手になっていました。
次はヤスリ実習。
分厚い鉄板をこれまた万力に挟み棒ヤスリで均していく。
たしか鉄板の端から5mmを除き平面度0.5mm以内になるように均せという指示だったかな?
そんなもんできるわけないと思いながらも授業だから仕方なくやっていると、人間やればできる、生徒みんなちゃんとできました。
当時1980年代中頃、世はオートメーション化(って言葉自体すでに昭和のかほり)がどんどん進んでおり、果たしてこんな事やって何のためになるのだろう?と思ったりした。
実際役に立っていない友人も多いはずだが私にはとても役に立っている。

とりあえず店を構えて自転車を並べておけば世間的には「自転車屋さん」と認識される。
確かに売っているのであれば自転車屋か。
そして組立、修理の際には工具やらを使うわけだがそういうのを教える機関ってない。
自「動」車整備士には公的機関があるけれど自「転」車にはないので、自転車売場に立てば自転車屋さんと認識される。
そして誰に教わるでもなく我流で工具を使う。
ところが世の中には色々な分野のプロがいる。
ヤスリに携わる職業の方はヤスリのプロだし、ノコギリのプロ、レンチのプロだっている。
そういったプロの方々も自転車を買いにきたりするわけで、そういう方々が我々の作業を見たときに「こいつにゃ任せられない」と思われたらおしまい。
実際ある自転車メーカーの社長さんがうちでちょっと作業をしたことがあるのだが、棒を切る際に両手で金ノコの柄を握ったときには、このメーカーの商品大丈夫だろうか?と思ってしまった。

自転車売場に立っているから…、カタログスペックに詳しいから…ばかりではなく、「この人になら安心して任せられる」にならなきゃと思いつつ、私も精進しているつもりです。
長々とスミマセン。
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